環境保全活動
地下水保全活動
肥後銀行では、くまもとの地下水を守り育む活動を継続して行っています。
具体的活動として、①水源涵養林の育成=『阿蘇大観の森』の植樹活動 ②水資源湛水事業(※)=『阿蘇水掛の棚田』の水田耕作 ③水資源涵養域の保全=『阿蘇の草原』野焼き等、3つの柱として活動しています。
これらの活動を「公益財団法人肥後の水とみどりの愛護基金」と共に取り組んでいます。
- (※)水資源湛水事業:棚田66枚の地下水涵養量を水位計を用いて実測。
財団にて「地下水涵養量証明書」を発行。
森林
-水源涵養林の育成-
当行は、1993年に緑化資源保護のための「法人の森林制度」に参加し、2001年からは、財団法人肥後の水資源愛護基金(現、公益財団法人肥後の水とみどりの愛護基金)とともに植樹活動を開始しました。さらに、2006年2月に、阿蘇市小倉地区の森林52haを取得し、「阿蘇大観(たいかん)の森」と命名、水源涵養林の保全・育成に積極的に取り組んでいます。
「阿蘇大観の森」植樹
実施 回数 |
参加人数 累計 |
植樹本数 累計 |
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49回 | 12,465人 | 151,000本 |
(2023年4月現在)
4月の植樹の様子
掘る人と植える人の2人一組で行います
水田
-水源涵養機能の活用-
地下水保全および耕作放棄地解消を目的に、2011年2月に公益財団法人肥後の水とみどりの愛護基金と阿蘇市との間で「農業・水田湛水事業に関する協定」を締結し、「阿蘇水掛(みずかけ)の棚田」と命名した棚田において、例年5月に当行グループ役職員等による田植えを行い、10月には稲刈りを行っております。
手植え、手刈り、天日干しといった伝統的農法に加え、化学肥料・農薬を抑制した環境に優しい農業に取り組んでいます。
「阿蘇水掛の棚田」田植え・稲刈り
実施回数 | 参加人数累計 |
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25回 | 12,090人 |
(2023年5月現在)
阿蘇五岳を望む「阿蘇水掛の棚田」
5月の田植えの様子
10月の稲刈りの様子
草原
-水源涵養機能の保全-
阿蘇の広大な草原の地下水涵養力に着目し、草原維持活動を行う阿蘇草原再生協議会に対して支援を行っております。
阿蘇の草原で行われる輪地切り・野焼きは、放牧・採草・景観保全・生物の多様性維持のためには欠かせない作業です。しかし近年では、畜産農家や放牧牛の減少により、実施が難しい状況にあります。
草原保全・再生の担い手として「輪地切り※・野焼き支援ボランティア」の育成のために、当行では2015年より公益財団法人阿蘇グリーンストック主催の研修会に参加しています。
- 山火事防止のため、草を刈って防火帯(幅7~15メートル)を作ること
輪地切り・野焼き支援ボランティア育成
刈払機安全講習会 参加人数累計 |
野焼き支援 ボランティア 初心者研修会 参加人数累計 |
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92人 | 154人 |
(2018年度末現在)
野焼き支援ボランティア初心者
研修会受講の様子
地下水保全のSROI
(社会的投資収益率:Social Return on Investment)
大観の森での「植樹」及び水掛の棚田での「稲作」による地下水保全活動について、北九州市立大学松本・藤山研究室の協力の元、SROIによる評価を行いました。
SROIは社会的インパクトを貨幣価値に換算して評価する手法の一つで、ROIの利益額を総便益、投資額を総費用に置き換えて算定します。今回の評価では便益として、保全された地下水※の貨幣価値、販売された米・木材の売上を計上し、費用として保全活動に係る人件費、苗の費用等を計上しています。
算定の結果、地下水保全活動のSROI評価値は7.7となり、投入した費用の7.7倍の便益が得られることが示されました。(2016年度~2020年度5年間の平均値)
地下水保全活動のSROI |
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7.7 |
- 「1m3あたりの水道の設備と維持管理の費用」を地下水の貨幣価値として算定
出所:日本水道協会HP(http://www.jwwa.or.jp/shiryou/water/water06.html)